命令ポインタ(Instruction Pointer, IP)とインストラクションポインタ(Instruction Pointer, IP)は、CPUが実行中のプログラムの次に実行すべき命令の位置を示すレジスタです。これらの用語は、基本的に同じ概念を指しますが、アーキテクチャや言語によって異なる名前が付けられることがあります。以下にその詳細を説明します。
命令ポインタ(Instruction Pointer, IP)
命令ポインタは、現在実行中の命令のアドレスを指し示すレジスタです。プログラムの実行中、CPUはこのレジスタの値に基づいて次に実行する命令をメモリから読み込みます。
主要なポイント
- プログラムカウンタ(Program Counter, PC)
- 命令ポインタは、プログラムカウンタ(PC)と呼ばれることもあります。PCは、次に実行すべき命令のアドレスを保持し、命令の実行が終わると自動的に次の命令アドレスに更新されます。
- アーキテクチャにおける名称
- x86アーキテクチャ: 「インストラクションポインタ(EIP / RIP)」という名称で知られています。32ビットモードでは「EIP」、64ビットモードでは「RIP」です。
- ARMアーキテクチャ: 「プログラムカウンタ(PC)」として知られています。
- MIPSアーキテクチャ: 「プログラムカウンタ(PC)」として知られています。
- フロー制御
- ジャンプ命令(JMP)や条件付きジャンプ命令(例:
JE
)を使用すると、命令ポインタの値が変更され、プログラムの実行フローが変更されます。 - サブルーチン呼び出し(例:
CALL
)によって、命令ポインタの値がスタックに保存され、サブルーチンの実行が終わると、RET
命令によって保存されたアドレスに戻ります。
- 例
- x86アーキテクチャ:
MOV EAX, [EIP]
は、現在の命令ポインタの位置に格納されている命令を読み取ります。
インストラクションポインタ(Instruction Pointer)
インストラクションポインタは、基本的に命令ポインタと同じ概念を指します。アーキテクチャによって異なる名称が付けられる場合がありますが、どちらもプログラムの次に実行すべき命令の位置を示します。
例: x86アーキテクチャの命令ポインタ
- EIP(Extended Instruction Pointer): 32ビットモードでの命令ポインタ。プログラムカウンタの役割を果たします。
- RIP(Register Instruction Pointer): 64ビットモードでの命令ポインタ。64ビットアーキテクチャでのプログラムカウンタです。
まとめ
命令ポインタ(またはインストラクションポインタ)は、CPUが次に実行すべき命令の位置を指し示す重要なレジスタです。プログラムのフロー制御やサブルーチンの呼び出し・戻りを管理するために使用され、プログラムの実行において中心的な役割を果たします。